基礎知識
カードローンの繰上返済を行うメリット|返済方法や注意点を解説
公開日:2023年5月15日
繰上返済とは、毎月決められた返済額とは別に、借入額の一部を前倒しで返済する方法です。繰上返済を利用すると返済期間が短くなり、利息総額を抑えられる可能性があります。しかし、無理な繰上返済は日々の生活に影響することがあるので、余裕をもって返済することが大切です。
この記事では、カードローンの繰上返済のやり方とメリット、注意点を解説します。繰上返済を行った場合の具体的な数字のシミュレーションも紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事でわかること
- 繰上返済のやり方
- 繰上返済を利用するメリット
- 繰上返済を利用する際の注意点
目次
カードローンの繰上返済とは
繰上返済とは、毎月支払っている返済額とは別に、借入額の一部を前倒しで返済することです。繰上返済を行うと返済期間が短くなり、利息総額を抑えられる可能性があります。繰上返済は利用者の任意でいつでも行うことができます。
繰上返済の名称は金融機関によって異なり、「臨時返済」や「追加返済」などと表現する場合もあります。借り入れているお金の残高を一度に返済する「一括返済」も、繰上返済の一部です。
なお、繰上返済を行った場合でも、毎月の返済日に口座から自動引き落としされる「約定返済(やくじょうへんさい)」の分は別に支払う必要があるので注意しましょう。
繰上返済の方法
繰上返済の方法は、カード会社によって異なります。一般的に、次の2つの返済方法があります。
- カード会社と提携したコンビニや金融機関のATMに入金する
- 金融機関が指定する口座に振り込む
なお、JCBのカードローン「FAITH」では、繰上返済のことを「まとめ払い(繰上返済)」と呼びます。「FAITH」をご利用中で、まとめ払いをご希望の場合は、会員専用WEBサービス「MyJCB」またはお電話にてお申し込みください。
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カードローンで繰上返済するメリット
繰上返済には次のようなメリットがあります。
返済期間が短くなる
繰上返済を利用すると、借り入れたお金を早く返し終えることになります。そのため、繰上返済後に新たな借り入れをしない限り、全体の返済期間を短縮できます。
返済期間が短くなることで、お金を借りていることに対する不安や、無事に返済できるかどうかといった心理的なプレッシャーを軽減できます。特に、臨時の出費にカードローンを利用した場合であれば、なるべく早く返済できる方法を選択したほうがよいでしょう。
利息が減って返済総額を抑えられる
利息とは、お金を借りるときに利用者が対価として金融機関に支払うものです。利息は、返済期間が長ければ長いほど金額が大きくなります。
繰上返済を利用すると、すべてのお金を返し終えるまでの期間が短くなるため、結果的に利息が減り、返済総額を抑えられます。
返済した分追加で借り入れできる
カードローンを申し込んで審査に通過したあとは、利用可能枠(限度額)の範囲内であれば追加で借り入れが可能です。
繰上返済を利用して早くお金を返すと、借り入れできる利用可能枠(限度額)が減るため、新たにお金が必要になった場合に追加で借り入れられます。
カードローンで繰上返済するときの注意点
ここでは、繰上返済を利用する際に気を付けたいポイントを紹介します。
繰上返済をしても約定返済はしなければならない
繰上返済は、月々の返済にプラスして返済する方法です。繰上返済をした場合も、その月の約定返済(毎月決められた返済額)の分は別に支払う必要があるので注意しましょう。
約定返済の支払日が遅れると、遅延損害金が発生したり、その後の審査や借り入れにも影響を及ぼしたりする可能性があります。
繰上返済を利用するときは、約定返済分のお金は残したうえで、さらに余裕のあるお金を繰上返済に充てるのが理想的です。
繰上返済には手数料が必要な場合がある
約定返済は自動引き落としされるため手数料がかかりませんが、ATMを使って繰上返済すると、都度手数料がかかってしまうことがあるため、注意が必要です。
繰上返済を行うときは、一度にまとまった額を返済するほうが手数料を抑えられるでしょう。
無理に繰上返済をすると生活の負担が大きくなる
繰上返済をするかしないかは、あくまで利用者の判断にゆだねられています。
日常生活に影響が出るほどの繰上返済は控えましょう。結果的にお金が足りなくなり、さらに借り入れをする事態になりかねません。
現時点でお金に余裕があると感じていても、数ヵ月後に大きな出費の予定があるのであれば、無理に繰上返済をしないほうがよいでしょう。数ヵ月後の経済状況を見通して、確実な収入が見込めるときに返済することが大切です。
繰上返済をしたほうがいいケース
ここまでの内容を踏まえて、繰上返済をしたほうがいいケースと、しないほうがいいケースをまとめました。まずは繰上返済をしたほうがいいケースを紹介します。
- 毎月の収入が安定している
- 繰上返済を行っても、生活費などの必要なお金を確保できている
- 万が一急な出費が発生しても、対応できるだけのお金は残している
- 今回のみ臨時で借り入れを利用している
繰上返済を行うかどうかを判断するポイントは、「繰上返済をしても数ヵ月先まで余裕があるかどうか」です。中長期的なマネープランをもとに、繰上返済をしましょう。
繰上返済をしないほうがいいケース
次のようなケースでは、繰上返済をしないほうがよいでしょう。
- 来月以降の収入の見込みがわからない
- 毎月の収入が不安定
- 繰上返済をすると生活費が足りなくなる
- 急な出費があると生活が厳しくなる
- 繰上返済すると約定返済が遅れる可能性がある
お金に余裕がないときに無理に繰上返済をすると、かえって経済状況が苦しくなってしまうことがあります。月々の約定返済の支払いを優先したうえで、無理のない繰上返済を行いましょう。
繰上返済のシミュレーション
繰上返済を利用することで、実際にどのくらい利息が軽減できるのでしょうか。ここでは、実際に繰上返済を利用した場合のシミュレーションを紹介します。
シミュレーションの条件は、次のように設定します。
[シミュレーションの条件]
- 借入金額:50万円
- 借入日:2022年10月1日
- 返済方式:毎月元金定額払い
- 金利:15.00%
- 返済日:毎月10日に15,000円
項目 | 約定返済のみで返済 | 繰上返済を利用した返済 |
---|---|---|
利用予定年月日 | 2022年10月1日 | 2022年10月1日 |
繰上返済利用日 | - | 2023年10月1日 10万円繰上返済 |
返済完了年月 | 2025年8月 | 2025年1月 |
支払利息 | 109,241円 | 86,091円 (利息の差23,150円) |
支払合計金額 | 609,241円 | 586,091円 |
注意事項:あくまでも簡易シミュレーションの結果であり、実際の支払金額は条件によって異なります。
シミュレーションのケースでは、10万円の繰上返済を1回行ったところ、約定返済のみで完済した場合に比べて支払利息が23,150円少なくなりました。
このように、繰上返済で利息の支払額を減らすことが可能です(追加で借り入れを行わない場合)。
よくある質問
-
カードローンの繰上返済とはなんですか?
-
カードローンの繰上返済とは、月々決まった額を返済する「約定返済」とは別に、任意の金額を前倒しで返済することです。余裕のあるときに繰上返済をすると、利息総額を抑えられる可能性があります。
-
繰上返済と一括返済の違いはなんですか?
-
一括返済も繰上返済の一部です。繰上返済は、毎月の返済である約定返済とは別に追加で返済することで、一括返済は返済残額を一度に全額返済することをいいます。
-
カードローンの繰上返済に注意点はありますか?
-
繰上返済の注意点は主に3点あります。
- 繰上返済をした月も、月々の約定返済は別で必要になる
- ATMで繰上返済をすると手数料がかかる場合がある
- 数ヵ月先の出費を見越したうえで余裕のあるときに繰上返済をする
無理に繰上返済をすると、かえって生活が厳しくなったり、急な出費に対応できなくなったりする可能性があるので注意が必要です。
-
カードローンの繰上返済はいつできますか?
-
利用者の希望があれば、いつでも繰上返済を行うことができます。
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氏名:小宮崇之(こみや たかし)
資格:CFP(R)(公認ファイナンシャルプランナー)、TLC(生命保険協会認定FP)、損害保険プランナー、証券外務員一種、日商簿記検定2級大学卒業後、信用金庫に入社。お客様と接する中で、中立的な立場によるアドバイスの必要性を感じ、保険代理店として独立することを決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。保険代理店の実務経験を活かした執筆業や講師業にも積極的に取り組んでいる。
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