基礎知識
代位弁済とは?考えられる5つのリスクと制度利用の流れ
更新日:2023年12月11日
カードローンや住宅ローンなど、借り入れを行う際は事前にしっかりとした返済計画を立てておき、無理のない範囲で利用することが大切です。しかし、やむをえない事情により、その返済が滞ってしまう可能性もゼロではありません。
もしも借金の返済ができなくなってしまった場合、代位弁済という制度が適用されることがあります。この代位弁済とはどのような仕組みになっているのでしょうか。詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 代位弁済の概要や仕組み
- 代位弁済が適用される流れ
- 代位弁済のリスク
1.代位弁済とは第三者による返済のこと
代位弁済とは、借主が何らかの理由で借金の返済ができなくなったとき、あいだに入っている第三者(保証会社等)が、借主に代わって貸主に借金を返済することです。
この説明だけでは、借主の借金自体がなくなったように思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。代位弁済がおこなわれると、当初貸主が持っていた債権が、返済を肩代わりする第三者に移るだけで、今度はその第三者に対して、借主は借金を返済していかなければなりません。
代位弁済は、貸主のリスクを抑えるための制度であり、返済に猶予を持たせるための制度ではありません。
カードローンを例に挙げると、カードローンでは保証人や担保を必要とせず、お金を借り入れることができます。借り入れに際しては審査が行われていますが、貸主の貸し倒れのリスクがないとも限りません。
貸主と借主が直接契約をしているなかで貸し倒れが起きてしまっては、貸主は大きな損害を被ることになってしまうため、どうしても貸す金額や貸す対象に制限をかけたくなるのは当然です。貸し倒れした際に、保証会社があいだに入り、代位弁済をしてくれるからこそ、貸主はお金を貸しやすくなり、借主もお金が借りやすくなります。
代位弁済とはいわば、借り入れや貸し付けの利便性を向上させつつ、貸主の貸し倒れのリスクを下げるための対処法のひとつといえます。
2.代位弁済の流れ
ここからは、代位弁済が行われる際の流れを見ていきましょう。金融業者によって異なる部分もありますが、大まかには次のような流れで代位弁済は進みます。
(1)貸主から借主への督促
借主からの借金返済が滞ると、貸主から借主に対して、直接督促が行われます。電話や郵便などの方法が一般的です。
借主はこの段階でしっかりと対処し、返済を行えば、代位弁済は行われません。
(2)保証会社が貸主に代位弁済
貸主から借主へ督促を行っても返済がなされない場合、次のステップとして貸主が保証会社に対して借金残高の返済を求める代位弁済がスタートします。代位弁済が始まるタイミングは、金融業者ごとに異なりますが、おおよそ3ヵ月前後の滞納が基準となっています。
(3)保証会社が借主へ請求
代位弁済によって、保証会社が貸主に借金残高を支払うと、債権が保証会社に移行し、今度は保証会社から借主に対する請求が始まります。その際、借主には保証会社から、代位弁済が行われたむねを伝える「代位弁済通知」が送られてきます。
この代位弁済通知は、代位弁済が行われる前ではなく、行われた後に送られてきます。そのため、確認を怠っていると、「何も知らないまま気が付いたら代位弁済が行われていた」という事態にもなりますので、十分に注意する必要があります。
3.代位弁済のリスク
ここまでの説明を見る限り、借主にとって代位弁済とは、請求元が変わるだけで、とくに大きな問題は起こっていないように感じるかもしれません。しかし、見た目の変化は少ないかもしれませんが、代位弁済が行われることによって、借主は次のようなリスクを背負うことになります。
一括返済を求められる
代位弁済が行われ、債権が保証会社に移った場合、肩代わりしてもらった金額の一括返済を求められることになります。
数万円程度を毎月返済することはできても、一気に数十、数百万円というお金を捻出することは簡単なことではありません。
遅延損害金が発生する
代位弁済が行われるということは、借金の返済が滞っている状態であるため、遅延損害金も日々膨らんでいます。ですから、「100万円を借りていたから100万円を返せばいい」ということにはならず、遅延損害金を含めた金額を返済しなければならないケースがほとんどです。
ここに、一括返済も加わってきますから、代位弁済が行われたら、家計に対する圧迫は厳しいものになることが予想されます。
保証人への督促
もしも保証人をつけて借金をした場合、その保証人に対する督促も行われます。代位弁済が行われた時点で、保証人ともしっかり連携し、今後の動き方について話し合っておかなければなりません。
信用情報に傷がつく
代位弁済が行われてしまうと、その後しっかりと借金を返済したとしても、信用情報には代位弁済が行われたということが記録され、信用情報に傷がついた状態になってしまいます。一度、信用情報に傷がついてしまうと、金融機関を利用する際の審査などにも影響がある可能性があります。
財産の差し押さえが行われる
代位弁済が行われ、上のような請求が発生しているにもかかわらず、それでも返済が滞るようなことになると、ケースによっては、保証会社による財産の差し押さえが実行されてしまいます。代位弁済が行われれば、さらに借金を肩代わりしてくれる機関は存在しませんので、財産の差し押さえを受け入れるしかありません。
代位弁済が行われる前に対処するのは当然として、事前にしっかりと返済の計画を立てておき、一日たりとも延滞しないことが大切です。
4.代位弁済は非常に危険!そうならないための計画を立てることが重要
代位弁済は、その言葉や意味だけを見ると、保証会社が一度は借金を肩代わりしてくれる便利な制度に見えるかもしれません。しかし、実際のところは借金が減るわけでも、返済の猶予ができるわけでもなく、むしろこれまで以上にきびしい条件での返済を迫られてしまうケースもあります。代位弁済が行われた時点で、良くない状況に追い込まれているという自覚を持たなければなりません。
代位弁済を回避する方法は、ローンを計画的に利用すること以外ありませんが、万が一返済が難しい状況になってしまったら、現在置かれている状況や今後の取り組みなどについて、しっかりと貸主と相談することも必要です。
自分のなかだけで問題を抱えていては、より大きな被害をもたらしてしまいます。早め早めの相談を心掛けましょう。
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